Greeting
ご挨拶

阪神地区の皆様、初めまして 医療法人琢生会理事長の神田宏治と申します。

2024年5月1日に尼崎市の園田駅最寄りに19床の有床診療所である阪神バースクリニックを新規開設いたします。尼崎・伊丹市エリアは近年分娩施設が減少しており、また無痛分娩の増加など求められる医療体制が変わってきた中で約20年にわたり新規施設の開設はありませんでした。分娩施設を新規開設できる母体としては行政機関、各医療法人、産婦人科医師が挙げられますが、なかなか手をあげるところはありませんでした。実現のためには、熱意のある医師、医療スタッフの確保と教育、実践的な医療ノウハウ、予算などが求められますが、全てを兼ね揃えるのは高いハードルがあります。特にこの少子化の中では誰もしようとしないですし、結果いつまでも地域の方には不自由が続くことを感じ、私の中の正義感に反骨心が加わって実現に向けて進める運びとなりました。さらに当院で10年以上非常勤医師を務めてきた大阪大学の中村幸司医師が尼崎出身ということもあり、場所選定の相談などをしていましたところ、彼の方から共感し医療者として参画したいと申し出てくれました。彼は大学病院でも重責を担い期待された逸材であり戸惑いもあったのですが、地域医療に身を捧げる私と同じ選択をしてくれた事に感謝しています。彼はひと回り年下ですが豊富な知識には勉強させられますし、特に彼の医療人としての心を私は尊敬しています。

理事長の私は、平成18年より吹田市江坂で神田マタニティクリニックの院長として地域で1万5千人以上のベビーの誕生をお迎えしております。私自身54歳となり開業当時小学生だった息子も同じ職業となり、私自身も医師として充実した時間を過ごさせていただいた中で、いかに皆様や社会にお返しできるかについて考えるようになりました。周産期医療を安全に続けさせていただけていることを、当院と関係する皆様に心より深く感謝申し上げます。また少子化が進む中、多くの皆様に当院を選んでいただきまして感謝しております。

4年前に端を発した新型コロナウイルス感染症も浸透しコロナ禍も終焉を迎え、いよいよ新しいステージに入ってまいりました。コロナ禍の期間、感染予防の観点から立会いや面会制限を強いられましたが、現在ほとんどの制限は解除されています。その期間、陣痛を迎えた患者様へ精神的、肉体的負担を軽減してもらうために、ご希望される方には硬膜外麻酔を併用することを案内するようになりました。いわゆる無痛分娩のことです。当院では無痛分娩自体は特に血圧が高い、不安が強いなど医学的に勧められる方を対象に15年以上前から行っておりましたが、昨今の無痛分娩に対しての需要の高まりから希望者全員に提供することとし、HPで無痛分娩の告知を3年前より始めた結果、昨年は普通分娩の4割以上の方が無痛分娩を選ばれて年間300例以上の方が受けられています。

現在、多くの方が無痛分娩に興味を持ち迷われている状況があります。初産婦、つまり初めての分娩の方には一度陣痛を感じてみてからどうするかを決めることをお勧めしています。当院では曜日や時間を問わず無痛分娩を申し込むことができますので、ご安心ください。一方、分娩を一度でも経験された上で無痛分娩を希望される経産婦の方には、計画無痛分娩をお勧めしています。妊娠38週ごろに、この日に出産すると決めてもらい、入院して陣痛を起こしていきます。陣痛が強くなる前には麻酔を始めますので、ほとんど痛みを感じることなく8~9割の方は当日出産となります。自然陣痛からの無痛分娩も選択は可能ですが、経産婦の場合は出産経過が早く麻酔の効果が間に合わない恐れがあるためお勧めしていません。詳しくは無痛分娩の項をご覧になり、希望される方は是非ご検討ください。

当医療法人では、より複雑化する医療内容に応えるために麻酔科専門医の常勤医:松本怜子医師を無痛分娩のスタッフとして迎えました。当医療法人の伝統である自然な分娩から無痛分娩まで、一人一人の希望に沿った「お母様と赤ちゃんに優しい分娩」を両医療施設ともに実践してまいります。いつもの医師が身近にいるというアットホームな点だけではなく、緊急時にも複数の医師が素早い対応をとれるような高い医療水準を維持できるように努めてまいります。また高次医療機関での治療を要するハイリスクの患者様には地域の関連基幹病院と速やかなる連携をとって診療に当たりますので、ご安心ください。地域で愛される分娩施設としてご期待に応えて行けますよう、今後ともスタッフ共々頑張って参りたいと思っております。

令和6年1月
医療法人琢生会 理事長 神田宏治

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